経産省若手プロジェクト(2017)『不安な個人,立ちすくむ国家』文藝春秋

経産省若手プロジェクト(2017)『不安な個人,立ちすくむ国家』文藝春秋を読んだ。

本書は,第20回産業構造審議会総会配布資料に加えて,養老孟司,冨山和彦及び東浩紀との座談会経産省若手プロジェクトメンバー30人中6人へのインタビューがあった。

印象に残った部分は,「昭和の人生すごろく」イメージである。

男性は,「仕事」コンプリート(「正社員になり定年まで勤めあげる」という生き方)の割合が,1950年代生まれで34%,1980年代生まれで27%となった。低下の主因は,非正規の割合が3%から14%へ上昇して,新卒一括採用の割合が82%から73%へ低下したためである。新卒一括採用した場合に定年まで勤めあげる割合は,41%(=34/82)から37%(=27/73)への低下に留まった。

なお,女性は,「家族」コンプリート(「結婚して,出産して,添い遂げる」という生き方)の割合が,1950年代生まれで81%,1980年代生まれで58%となった。低下の主因は,結婚の割合が93%から81%へ低下したため及び結婚した場合に出産する割合が95%(=(100-7-5)/(100-7))から84%(=(100-19-13)/(100-19))へ低下したためである。当該図では,未婚の場合で出産するときを捨象している。