ジェリー・Z・ミュラー(2019)『測りすぎ なぜパフォーマンス評価は失敗するのか?』(松本裕訳)みすず書房
ジェリー・Z・ミュラー(2019)『測りすぎ なぜパフォーマンス評価は失敗するのか?』(松本裕訳)みすず書房を読んだ。
意図せぬ,だが予測可能な悪影響
- 測定されるものに労力を割くことで,目標がずれる
- 短期主義の促進
- 従業員の時間にかかるコスト
- 効用の逓減
- 規則の滝
- 運に報酬を与える
- リスクを取る勇気の阻害
- イノベーションの阻害
- 協力と共通の目標の阻害
- 仕事の劣化
- 生産性のコスト
いつどうやって測定基準を用いるべきかチェックリスト
- どういう種類の情報を測定しようと思っているのか?
- 情報はどのくらい有益なのか?
- 測定を増やすことはどれほど有益か?
- 標準化された測定に依存しないことで生じるコストはどんなものか?実績についてほかの情報源があるか?(顧客や患者,生徒の保護者などの経験と判断に基づくもの)
- 測定はどのような目的のために使われるのか,言い換えるなら,その情報は誰に公開されるのか?
- 測定実績を得る際にかかるコストは?
- 組織のトップがなぜ実績測定を求めているのかきいてみる。
- 実績の測定方法は誰が,どのようにして開発したのか?
- もっともすぐれた測定でさえ,汚職や目標のずれを生む恐れがあることを覚えておく。
- ときには,何が可能かの限界を認識することが,叡智の始まりとなる場合もある。