株式会社Kyash(2020)『Kyash,12月8日より年利1%の「残高利息」の提供を開始』

株式会社Kyash(2020)『Kyash,12月8日より年利1%の「残高利息」の提供を開始』を読んだ。

株式会社Kyash(本社:東京都港区,代表取締役:鷹取 真一)はデジタルバンキングアプリ「Kyash」において,銀行口座などから入金した残高に対し,年利1%のKyashバリュー*を付与する「残高利息」サービスの提供を12月8日(火)より開始します。これにより,Kyashに,決済,送金に加えて,消費者向けデジタルバンキングサービスの一環として資産形成の機能が新たに追加されます。
*付与される利息分は現金引き出しができない残高になります。

株式会社Kyashは資金移動業者なので銀行業法第2条第2項に抵触すると思われるが,金融庁が目を瞑ったのかな。

第二条 この法律において「銀行」とは,第四条第一項の内閣総理大臣の免許を受けて銀行業を営む者をいう。
2 この法律において「銀行業」とは,次に掲げる行為のいずれかを行う営業をいう。
一 預金又は定期積金の受入れと資金の貸付け又は手形の割引とを併せ行うこと。
二 為替取引を行うこと。 

資金決済に関する法律の施行に伴う政令案・内閣府令案等に対するパブリックコメントの結果を読むと,次のとおり。

  • [コメントの概要]資金の送金・受取に際して,利用者は,まず資金移動業者が管理するアカウントを開設し,当該アカウントに送金のための資金を入金し,また,当該アカウントで資金を受け取る,という資金移動業のビジネスモデルが,主にインターネットを介して行う送金サービスの場合に,有力かつ実際的な手法として想定できる。 このようなビジネスモデルは,出資法第2条の「預り金」の禁止に抵触するおそれがあると思われるが,事務ガイドラインに規定されている「預り金」の要件をふまえ,資金移動業者が,利用者の送金・受取のためにアカウントで資金を受け入れることが,どの程度許容されるのか,明らかにされたい。
  • [コメントの概要]資金移動業者としての登録をすれば,金銭の払戻し(換金性)を認めても,出資法第2条第1項の「預り金」規制に反しないという理解でよいか。
  • 金融庁の考え方]例えば,資金移動業者が,送金依頼人から送金指図を受けるとともに,当該指図に係る送金資金を送金依頼人のアカウントに受け入れるなど,送金資金が具体的な送金依頼と結びついている場合には,当該送金資金の受入れは,出資法第2条第2項で禁止される「預り金」には該当しないと考えられます。 ただし,資金移動業者は,銀行と異なり預金の受入れはできず(銀行法第2条第2項),送金と無関係に資金を預かったり,送金用口座と称して長期間金銭を預かり利息を付すなど,その実態によっては実質的に「預り金」に該当する場合も考えられます。したがって,個別事例ごとに,事務ガイドライン(預り金)2-1-1(2)に掲げる要件(①不特定かつ多数の者が相手であること,②金銭の受け入れであること,③元本の返還が約されていること,④主として預け主の便宜のために金銭の価額を保管することを目的とするものであること)に照らし合わせながら,「預り金」に該当するか否かを判断することになります。