エリック・バーカー(2017)『残酷すぎる成功法則 9割まちがえる「その常識」を科学する』(橘玲監修,竹中てる実翻訳)飛鳥新社

 エリック・バーカー(2017)『残酷すぎる成功法則 9割まちがえる「その常識」を科学する』(橘玲監修,竹中てる実翻訳)飛鳥新社を読まなかった。長い。

 監訳者序文が既に冗長的となっている。

 これは,「コロンブスのタマゴ」のような画期的な自己啓発書だ。そのうえわかりやすく,かつ面白い。だったら序文なんか必要ないじゃないか,といわれそうで,まさにそのとおりなのだが,それでもひとこといっておきたいのは本の厚さに躊躇するひとがいそうだからだ。

 しかしこの本には,これだけの分量と膨大な参考文献がどうしても必要なのだ。なぜなら,玉石混淆の自己啓発の成功法則を,すべてエビデンスベースで検証しようとしているのだから。

 日本にも「幸福になれる」とか「人生うまくいく」とかの本はたくさんあるが,そのほとんどは2つのパターンに分類できる。

①著者の個人的な経験から,「わたしはこうやって成功した(お金持ちになった)のだから,同じようにやればいい」と説く本

②歴史や哲学,あるいは宗教などを根拠に,「お釈迦さま(イエスでもアッラーでもいい)はこういっている」とか,「こんなとき織田信長豊臣秀吉でも徳川家康でもいい)はこう決断した」とか説く本

 じつはこれらの本には,ひとつの共通点がある。それは証拠(エビデンス)がないことだ。

・・・(上記の2.5倍分の長さの文章が続く。)・・・。

 この文章は,「本書は,Evidence-Based Medicine*1を参考に,さまざまな自己啓発書に記載されている事例を評価してとりまとめた自己啓発書です。」*2で済むと思うのだが,そうは問屋が卸さないらしい。

www.amazon.co.jp

*1:the conscientious, explicit and judicious use of current best evidence in making decisions about the care of individual patients.

*2:読んでいないため,本書がどのようなものなのか実際には分からない。