鈴木良介(2015)『データ活用仮説量産フレームワークDIVA-データからお金を生み出す4段階』日経BP社

鈴木良介(2015)『データ活用仮説量産フレームワークDIVA-データからお金を生み出す4段階』日経BP社を読んだ。

本書は,データ活用のハウツー本である。本書が提供する情報は,大別すると,2つあった。1つは,データ活用の仮説作りを支援するツール『DIVAフレームワーク』である。なお,DIVAとは,Data,Information,Value及びAchievementの頭文字を繋げたものである。もう1つは,データ活用の事例である。

DIVAフレームワークでは,参考となった点が2つあった。1つ目は,著者が「Value」を顧客及び(又は)従業員の振る舞いの変化と定義したことである。著者は,「データ活用」をデータからお金を生み出すことと定義したうえ,「Data」を事象を生成及び収集したもの,「Information」を見える化,「Achievement」を売上増加及び費用削減等と定義した。このため,DIVAフレームワークでは,見える化を「Achievement」のように見せて仮説が終わったり,見える化から「Achievement」へ仮説が飛躍したりしない。2つ目は,プライバシーの問題も当該フレームワークに落とし込まれていることである。

一方,データ活用の事例集としては,使い勝手が悪かった。何故ならば,著者は,事例を画一的な図表又は文章構造で説明していないためである。事例のDIVAを把握すること及び事例間のDIVAを比較することが難しかった。