島朗(1996)『純粋なるもの』河出書房新社
主な登場人物は,次のとおり。
森下卓八段:棋界随一と言われる研究家で意志の男。まじめで礼儀正しく,好青年の誉れ高い。平成七年の名人戦で羽生に1-4で敗れる。A級2位,三十歳。
佐藤康光八段:スーパーコンピュータと呼ばれる逸材。情に厚く芸術家肌。平成五年,羽生から竜王を奪うが,翌年防衛戦で2-4で敗れる。A級9位,二十七歳。
森内俊之八段:名棋士を祖父に持つ大器。将棋は完封勝ちを狙うキメ細かさだが,性格は大らか。平成八年の名人戦で羽生に1-4で敗れる。A級1位,二十六歳。
羽生善治六冠王:棋界の生んだスーパースター。平成八年二月七冠達成。生き方,将棋のスタイルともに合理と自然体を愛する。二十六歳。
島朗八段:A級5位,三十三歳。